祈り美しき巡礼の旅 サンティアゴ・デ・コンポステーラ
↑巡礼をする人々
世界遺産に指定されている巡礼地、
サンティアゴ・デ・コンポステーラは、
イベリア半島のほぼ西北端にあり、フランスの世界遺産の街、ヴェズレーを起点とする巡礼道の目的地(聖地)だ。
毎日熱心なキリスト教徒の人々で賑わう、どこか神秘的な雰囲気をもった街という印象を受ける。
サンティアゴ・デ・コンポステーラが巡礼地となったのは、イエス・キリストの使徒の一人の聖ヤコブ(スペイン語でサンティアゴ、英語でセント ジェームス)の墓がここで見つかったことに由来する。
旅の始まりは、空港から車でゴソ(歓喜)の丘に向かいたい。
長い巡礼の旅も終点に近いこの丘で、遠くサンティアゴ・デ・コンポステーラの町を見て、はるか聖ヤコブに祈りを奉げて、神聖な気持ちになってみるといい。
知っておきたい聖ヤコブの伝説

↑ゴソの丘から
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12教徒最初の殉教
44年ごろ、イスラエルにてヘロデ王のキリスト迫害により殉教。
亡骸は、弟子と共に神の遣わした船で運ばれた伝説が残る。
その後の数百年間、遺体や墓は発見されなかった。
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遺骸と墓の発見
813年、隠者ペラヨが森の中で星の光が反射して輝く石棺を発見される。
そして、司教テオドミーロにより石棺が聖ヤコブの墓であることがわかり、以後巡礼の旅が始まる。
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クラヴィホの戦い
844年に起こったイスラム教徒との争いのなか、突如
白馬にまたがった聖ヤコブが現れ、味方を勝利に導いたと言い伝えられている。
聖ヤコブの【サン・マルティン・ピナリオ修道院】
↑彫刻と装飾ともに美しい聖堂内部
サン・マルティン・ピナリオ修道院はサンティアゴで最も古くから設立された修道院のひとつ。
現在は、司教座神学学校と寄宿舎として使用されている。
聖堂内部の主祭壇には、17世紀のバロックの装飾が施されていて、目が眩むほどまぶしい金色。
そこには巡礼者の装束をまとった聖ヤコブの像が置かれている。
その姿が、伝説に違わぬ神々しさを醸し出していた。
訪れた巡礼者は、像の裏に廻り、お祈りする。
ミサが終わると、ボタフメイロ(吊り下げ式香炉)が聖堂内で大きく振られ、巡礼者の匂いを消す役割をする。
他には、聖堂内にある栄光の門(Portico de la Gloria)の中央のアーチのティンパヌム(扉の上の半円小間)には審判者キリスト像が、アーチを縦に仕切る柱には、キリストの祖先の系譜をたどったエッサイの木が彫られている。
木の下に右手5本をおき、頭を柱に付けて罪の許しと祈りをすると、不思議と心が浄化していくようだった。
聖ヤコブの巡礼装束
↑ボタフメイロの様子
聖ヤコブの巡礼装束をよく見ると、帆立の貝殻が見えます。
これは、亡骸が船で運ばれたときに、たくさんの貝が船底に付着していたことに由来しているようです。
そこで、お土産に貝のキーホルダーをおすすめします。
貝を開けると、聖ヤコブ像が登場。
いつでも、その姿をおがめることができる一品。
ツアーでサンティアゴへ行こう
サンティアゴ・デ・コンポステーラへの手軽な巡礼の旅は、ルックJTBの個人で旅する ヨーロッパ・マドリッドフリープラン を利用して、マドリッドから飛行機に乗れば、現地に1泊しなくても充分満喫できる。
次は、サンティアゴ・デ・コンポステーラのもう一つの楽しみであるガリシア地方の食の紹介と、イタリアの隠れた巡礼地ロレートを紹介していきます。
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